自分史の書き方完全ガイド

自分史は、特別な書き方の知識がなくても始められます。大切なのは、すべてを書こうとせず、「誰に、何を、どの時代について伝えたいか」を決めること。
この記事では、自分史の意味と種類、基本構成のテンプレート、書き始め方の3つのアプローチ、費用や部数の目安、よくある失敗と回避策まで、自分史づくりのすべてを解説します。
ご自身の人生を振り返り、「自分史」にまとめることは、今後の人生をより豊かにしてくれます。ただ単に思い出に浸るということだけではありません。人生の中でうまくいったこと、うまくいかなかったことをまとめることで、これからの人生をより実りあるものにできます。
また、これまでの生活の中でお世話になった方々に、「自分史」を通して改めて感謝の気持ちを伝えることができます。
一冊の本を作るには、内容を練ることから始まり、何頁もの原稿を書き上げていくなど、多くの時間がかかります。手書きでもパソコンでも、指を使って書くことは、脳の活性化につながります。
完成した本から、新しい交流が生まれることもあります。制作と交流の時間は、人生に新たな風を吹き込み、心と体を元気にしてくれます。
自分史とは。6つの意味と6つの形式
自分史に込められる6つの意味
1. 自分が生きた証を残し、自分の考え方や体験を知ってもらう
どなたでも、貴重で尊い人生を精いっぱい生きてこられたはずです。その中で培った考え方や体験は、ぜひ多くの方に知ってもらい、残しておきたいものです。
2. 家族の歴史を残す
かけがえのない家族に対して、自分がどれだけ皆を愛し、慈しみ、大事に思ってきたかを、素直な気持ちで書き残しましょう。できれば、父母や祖父母のことまで書き記しておきたいものです。誰にとっても、自分の血族を遡ることは興味深いことです。いずれ、子どもたちや孫たちが関心を持って読んでくれる時期が来ると思います。
3. 自分の生きた時代を語り継ぐ
歴史の出来事を、あなた自身の目線でとらえて残していただけたら、後世の人にとって有用な書籍となります。福沢諭吉の「福翁自伝」には明治初期の事件や風俗が克明に記されており、日本近代史の貴重な資料となっています。
4. 自分を客観的に見る機会になる
一度、これまでの人生を振り返ってみましょう。良かったことも、うまくいかなかったことも、これからの人生に活かしてください。
5. かつてお世話になった方に、自分史を通してお礼ができる
昔は言えなかったことも、時間が経った今、改めて活字にしてみると、意外と素直に表現できるものです。当時の思いを、人生の恩人や家族、友人に伝えるよい機会になります。
6. 生活に張りができ、気力の充実につながる
本をまとめあげるのは大変な作業です。その分、完成後の充実感は格別です。また、目的ができることで気力も充実し、元気な毎日を送れるようになります。
自分史の6つの形式
1. 自伝形式(もっとも一般的な形式)
誕生から現在までのすべてを書く場合と、ある時代のみを書く場合があります。いずれの場合も大事なのは、凝った表現ではなく、読み手に正確に自分をわかってもらえる文章にすることです。
2. エッセイ集(思いつくままに書く)
短い文章(千字程度)で、断片的に思い出や身辺の出来事を綴ります。年代順に並べれば、立派な自分史になります。比較的、制作しやすい形式です。
3. 日記(素の自分を表現できる)
学生時代の日記があれば「青春時代の自分史」が作れます。子どもの成長記録をつけていれば「子どもと自分との記録」を残せます。日記そのものを、直筆のまま残す方法もあります。
4. 写真集(目で見る自分史)
たまっている写真に、当時の思いを書き記すのもよいでしょう。1ページに1枚を載せて説明を添える、数枚を並べるなど、配置の仕方はさまざまです。
写真集づくりについて
5. 年表(シンプルだからこそわかりやすい)
出来事の羅列だけでなく、その時々の想いを書くことで自分を表現できます。世界や日本の出来事と一緒にまとめると、整理が進みます。
6. 句集・歌集・詩集(表現力に富んだ形式)
当時の状況や自分の想いを句や歌に詠み、年代順に並べると自分史になります。解説を添えることで、読み手に内容を理解してもらうこともできます。
句集・歌集づくりについて
書く前に決めておくべき3つのこと
どの時代を書くのか
年表を作成し、書く時代を決めます。誕生から現在までのすべてである必要はありません。
何を軸に書くのか
いくつかエピソードを書き出し、残したいものを選んだら、それに肉付けをしていきます。
誰に向けて書くのか
ご家族や知人に向けて書くのか、特定の団体や個人に向けて書くのか、読者の対象を決めます。
この3つが決まると、書き始めてから迷うことがぐっと減ります。
自分史の基本構成テンプレート
時代別の構成が迷わず書ける、もっとも使いやすい型です。
① 幼少時代
今の子どもたちとの違いや、当時の風俗の違いを、思い出と一緒に書き記すと貴重な資料になります。また、幼少時代をテーマにすると、自分の父母や祖父母のことを抜きには語れませんので、立派な家族史にもなります。
② 青春時代
多感な青春時代、道に迷ってばかりいた青春時代。この時代の経験が、今の自分を形成するもとになっている方も多いでしょう。鮮烈な体験は、家族に伝えたいものです。
③ 結婚・子育て時代
どのような経緯で結婚し、夫婦で協力して子どもを慈しみ、家族を大事に考えてきたか。文章にして残すことは、自分から子ども、孫たちへの愛情のリレーになります。
④ 社会人時代
人生を振り返るとき、一人の力だけでは生きてこられなかったと感じる方も多いでしょう。支えてくれたかけがえのない家族、恩人や友人に自分史を贈り、活字を通して感謝の気持ちを伝えましょう。ご自身の経験は、きっと後進の方の道しるべになります。
⑤ 定年後の時代
一線を退いてから、新たな生きがいを見つけて活躍される方もたくさんいらっしゃいます。芸術の創作活動、ボランティア、現役時代にはできなかった旅行など、元気なシニアは多方面で活動されています。定年後に知り合った仲間と一緒に、一冊の本を制作するのも楽しいものです。
時代で区切らず、テーマで構成する方法もあります。詳しくは次章で解説します。
テーマの選び方(人生を貫くテーマの見つけ方)
テーマは人それぞれです。「誰に、何を伝えたいのか」を考えると、テーマが見えてきます。
たとえば、次のような切り口があります。
- ご自身の人生の集大成としての自分史・家族史
- 気ままに感じたことや考えをまとめたエッセイ
- 趣味の集大成としての写真集・句集・詩集
- 貴重な体験や当時の考えをまとめた旅行記・体験記
- サークル・同窓会などの会報や、団体の記念誌
- 個人の作品を発表するための小説・絵本
テーマが1つに決まらなくても問題ありません。「人生の転機」「仕事一筋」「家族との旅」など、いくつか書き出してみて、一番筆が進みそうなものから始めるのがおすすめです。
書き始め方の3つのステップ
1. 書く時代を決める
自分史だからといって、生い立ちから現在までのすべてを書かなければならないことはありません。特に印象の深い時代のみを書き残す方法もあります。
2. 資料を集める
身の周りには、自分史を書くための資料がたくさんあります。日記、記念写真、手紙、表彰状、資格証明書、給与明細、パンフレット、家計簿、母子手帳などです。まずは集めるだけ集めてみて、その後で情報を整理しましょう。
3. 年表を作成する
これまでの人生の出来事を整理しましょう。その際、国内や海外の出来事と一緒に振り返ると、整理がはかどります。社会の移り変わりとご自身の歩みが重なることで、読み手にも伝わりやすい自分史になります。
原稿は手書きでも大丈夫です
「文章は書けるけれど、パソコンでの入力が難しい」という方も、ご安心ください。
原稿が手書きの場合は、私たちが文字入力を行います。原稿用紙やノート、便箋に書かれたままの状態でお預けいただけます。
また、あえて活字にせず、手書きの原稿をそのままスキャンして本にする方法もあります。直筆の文字には、書き手の人柄や温度感が宿ります。
詳しい進め方や費用については、別記事「手書き原稿のままでも本にできるのか?」で詳しくご紹介しています。
費用の目安と部数の考え方
費用の目安
文字中心の作品の場合
もっともスタンダードな仕様(A5判・100ページ・100部・並製本・文字データ入稿)で、30万円から40万円程度が目安です。約10万円の幅は、組版の難易度や原稿確認作業の難易度によるものです。また、挿入する写真の枚数や、それをカラーで印刷するか、モノクロにするかによっても金額が変わります。
写真中心の作品の場合
もっともスタンダードな仕様(B5判・64ページ・100部・写真50点・並製本)で、50万円から60万円程度が目安です。カラー写真は、印刷の4色(黒・赤・黄・青)の掛け合わせですべての色を再現しますが、パステル調や蛍光色は再現が難しい場合があります。オリジナルに近づける調整に時間がかかる写真が多い場合は、費用も高くなります。
なるべく費用を抑えたい方へ
みんなの自費出版では「お手軽パック」をご用意しています。基本仕様は、四六判、本文80ページまで、30部、無線とじ製本(見返し・カバーなし)、文字はテキストデータでのご入稿です。この場合、148,000円(税抜)で本ができます。「立派な装丁までは必要ないが、とにかく一冊にまとめておきたい」という方は、ぜひご検討ください。
部数の考え方
ネット書店などで流通させたり、教材として使用したりする場合は100〜200部ほど、ご家族や知人に配るだけの場合は20〜30部ほどが一般的です。
「渡したい方の人数+予備数冊」で考えると、無駄がありません。
自分史を作るときの4つのポイント
1. 読んでもらう人のことを考える
自分史の場合、読んでもらうのは家族や友人、知人などになります。それぞれの方に失礼のないよう、表現方法や人名、固有名詞の表現には十分な注意を払いたいものです。
広く一般の読み手を想定する場合は、不特定多数の読者に共感してもらえるような内容にしたいものです。
2. デザインを検討する
レイアウトによって、本のイメージは大きく変わります。たとえば、①縦書きか横書きか、②本の大きさ(四六判からA4判まで)、③写真や図表の挿入方法などです。ご自分の希望を明らかにして、編集担当者とイメージを共有しましょう。
お気に入りの本があれば、それを見せていただくと、デザインの方向性が伝わりやすくなります。
3. 校正を進める
誤字・脱字だけでなく、著作権や個人情報についてもチェックが必要です。出版してから思わぬところから指摘が来ることのないよう、丁寧に確認しましょう。
校正のやり取りは、だいたい2〜3回行うのが一般的です。みんなの自費出版では、校正回数に制限を設けていません。ご納得いただけるまで、何度でも確認と修正を重ねられます。
4. 出版形態を検討する
作った本をどうしたいのか、希望を業者に伝えましょう。
家族や友人、知人に無償で配布するのか。広く一般の読者に読んでもらうために書店流通を考えるのか。費用を抑えるためにネット書店への出品を検討するのか。目的によって、最適な形が変わります。
価格・お見積りについて
よくある失敗と、その回避策
自分史の執筆では、「書き始められない」「まとまらない」「途中で止まってしまう」といったつまずきが、時おり起こります。
失敗1:生い立ちからすべて書こうとして、まとまらなくなる
回避策は、まず大まかな年表を作り、書く時代を決めることです。範囲を絞ると、筆が進みます。
失敗2:完璧な文章を目指して、書き始められない
回避策は、いくつかのエピソードをまず書き出し、残したいエピソードを中心に書くことです。文章の完成度は、後からの編集と校正で整えられます。
失敗3:一人で抱え込んで、途中で止まってしまう
回避策は、早めに相談することです。原稿が途中の段階でも、資料が集まっていない段階でも、整理の仕方から一緒に考えることができます。
自分史づくり、最初の一歩
まずは、資料集めから始めましょう
日記やメモ、記念写真、手紙や年賀状、卒業アルバム、表彰状など、自分史の材料となる資料は意外と身近にあります。整理をしながら、記憶や思い出も一緒に整えてみましょう。
次に、書きたい時代を特定します。誕生から現在までのすべてを書くのもよいですし、特に思い入れのある時代、たとえば青春時代、社会人時代、夫婦の歩みなどに絞って書くのもよいと思います。
材料が揃い、書きたい時代が決まったら、年表形式にして、社会や世相の移り変わりとご自身の歩みを合わせてみると、より分かりやすくなります。
自分史づくりをされたお客様の声
ご相談・お見積もりは無料です
価格は、部数やページ数、写真やイラストの有無、編集の難易度、製本方法、用紙の種類などによって変わります。そのため、お見積もりは個別にお出ししています。
ご納得いただけるまで、お見積もりは何度でも無料です。原稿が未完成のままでも、資料がまだ集まっていなくても、ご相談いただけます。
「自分の人生を、一冊の本に残したい」
「家族に、自分の歩みを伝えたい」
そう思ったときが、始めどきです。ご希望やお考えがまとまりましたら、ぜひご連絡ください。まとまっていない段階からのご相談も、お待ちしています。